概説: Telegramとは?

Telegramは、2013年に登場したロシア初の無料メッセンジャーアプリで、プライバシーとセキュリティを重視した設計が特徴です。テキストメッセージだけでなく、写真や動画を含むあらゆる形式のファイルを送受信でき、個人チャットやグループチャット、公開チャンネルなど幅広いコミュニケーションをサポートします。特にエンドツーエンド暗号化を利用したシークレットチャットや、自己破壊メッセージ機能により、ユーザーのプライバシーを強力に保護します。また、多くのメッセンジャーアプリとは異なりオープンソースで開発されているため、透明性と信頼性も兼ね備えています。

Telegramはメッセンジャーアプリの中でも特にセキュリティに優れているとされ、世界中で10億人以上が利用しています。
現代社会では、プライバシーやデータ保護がますます重要視されており、個人情報が外部に漏れるリスクに対して高い意識が求められています。Telegramは、ユーザー情報を第三者に共有せず、独自のサーバー上にデータを残さないポリシーを徹底することで、利用者の安心感を高めています。これらの要素から、Telegramは安全で信頼できるメッセンジャーアプリとして注目を集め、個人のプライバシーを重視するユーザーにとって最適な選択肢となっています。

この記事では、まだTelegramを使用していない方や、Telegramの使用を検討しているが安全性に疑問を持っている方に、何故Telegramが世界で10億人以上のユーザーを擁し、セキュリティ意識の高い人々から高評価を得ているのかご紹介します。

エンドツーエンド暗号化とは

エンドツーエンド暗号化（E2EE）は、送信者から受信者までのメッセージが暗号化され、途中のサーバーや第三者が内容を解読できない仕組みです。つまり、メッセージの内容は送信者と受信者だけがアクセスでき、通信経路のどこかで盗聴されても安全です。

Telegramでは「MTProto（Mobile Transport Protocol）」と呼ばれる独自設計の暗号化プロトコルを実装しており、スマートフォンでのパフォーマンスとセキュリティを両立するものとして高い評価を受けています。
MTProtoには、主に次のような特徴を備えています：

• 分割暗号化: MTProtoは、メッセージを複数の層に分割して暗号化します。データの暗号化と認証は異なるアルゴリズムを使って行われ、これによりセキュリティが強化されます。
• Diffie-Hellman鍵交換: シークレットチャットのE2EEにおいては、Diffie-Hellman鍵交換プロトコルを使用して、送信者と受信者が共有鍵を生成します。この鍵は第三者に知られることなく安全に共有され、メッセージの暗号化に使用されます。
• AES暗号化: メッセージの暗号化には、AES-256（Advanced Encryption Standard）のCTRモードが使用されます。これにより、メッセージの内容が強固に保護されます。
• SHA-256: メッセージ認証にはSHA-256ハッシュ関数が使われており、データの改ざんを防ぎます。

もっと具体的なイメージが必要ですか？メジャーなメッセンジャーアプリと比較してみましょう！

1. Facebook Messenger

• E2EEの利用：Facebook Messengerは、E2EEを提供していますが、デフォルトでは有効ではなく、利用するには「シークレットコンバーセーション」を手動で開始する必要があります。
• Telegramの優位性：Telegramのシークレットチャットも手動で開始する点は同じですが、Telegramはオープンソースであり、セキュリティに関する透明性が高く、信頼性があります。また、自己破壊メッセージやデータの非保存といった追加のプライバシー保護機能も強力です。

2. WeChat

• E2EEの利用：WeChatはエンドツーエンド暗号化をデフォルトで提供しておらず、政府の規制に従うためにデータが監視されやすいとされています。
• Telegramの優位性：Telegramはユーザーのプライバシー保護を最優先に設計されており、政府や第三者からのアクセスを許さない強固な暗号化を提供しています。特に、中国などの制限のある地域では、Telegramの安全性が際立ちます。

3. Snapchat

• E2EEの利用：Snapchatは一部のメッセージに対してエンドツーエンド暗号化を採用していますが、全ての通信に適用されているわけではありません。また、メッセージが消える機能が特徴ですが、サーバーに一時的に保存されるため、完全に安全とは言い切れません。
• Telegramの優位性：Telegramのシークレットチャットでは、メッセージがサーバーに保存されないため、サーバー側でのデータ漏洩のリスクが低くなります。また、シークレットチャット以外でもデフォルトの暗号化が施されており、全体的なセキュリティレベルが高いです。

4. WhatsApp

• E2EEの利用：WhatsAppはデフォルトで全てのチャットにエンドツーエンド暗号化を提供しており、これは非常に強力です。しかし、WhatsAppはFacebookが所有しているため、メタデータの収集や利用者情報の共有について懸念があります。
• Telegramの優位性：Telegramは、メタデータの収集を最小限に抑え、ユーザーのプライバシーを重視しています。また、WhatsAppと異なり、Telegramはオープンソースであり、セキュリティ面での透明性が高く、独立した監査が行いやすいという利点があります。

MTProtoも仕様がWebで公開されており、高い透明性を有します。加えてTelegramの特徴であるデータの最小限保存などの特徴により、他のメッセンジャーアプリに比べてプライバシー保護とセキュリティの面で優れています。

こうしたセキュリティ性能が、具体的にどのような機能で発揮されているか気になってきましたか？
次のセクションから、Telegramの実際のアプリ画面を見ながら紹介させていただきます！

Telegram シークレットチャット

強力なエンドツーエンド暗号化機能を備えたシークレットチャットはとても簡単に使うことができます。
Telegramのメインメニューから「New Message」をタップ、「New Secret Chat」を選択してメッセージを送りたい相手を選ぶだけで、すぐにチャットを開始できます。

シークレットチャットは、通常のメッセージとは隔離されたトークルームでやり取りすることになります。そのルームがシークレットチャットか否かは、画像のように鍵のアイコンが表示されることから容易に識別が可能です。

自己破壊メッセージの送信も簡単で、相手がメッセージを受信してから最短1秒後にメッセージを削除できます。
メッセージはTelegramのサーバー上にはもとから存在しておらず、自己破壊によって端末上からも消え去るため、デジタル・フォレンジックによりメッセージを復元することは極めて困難とされています。

自己破壊メッセージ

自己破壊メッセージは、個人チャット、グループチャット、Telegram Channelsなど、Telegram上におけるすべてのやり取りで自在に設定することができます。
自己破壊メッセージとは、相手方がメッセージを読んでから指定時間後に自動で削除するよう指定できるものです。

通常、多くのメッセンジャーアプリでは、送信取り消しができなかったり、仮にあなたがメッセージを取り消したとしても、サーバーや相手方の端末にメッセージが残り続けることがほとんどです。
そのため、送信側からメッセージの存続期間を指定できることは、Telegramの唯一無二の特徴と言えるでしょう。

自動削除の期間は最短1秒から設定でき、もちろんメッセージを自動削除しないよう設定することも可能です。

プライバシー保護のための設計思想

データはLocal-Based、政府や捜査機関への情報提供ポリシー

Telegramでは通常のチャットでさえも、サーバー上にメタデータやメッセージのコピーを最小限に抑える仕組みです。
一般的なメッセンジャーアプリでは、メッセージやユーザーに関する情報がサーバーに保存され、広告配信やサービスの提供のために利用されています。しかし、これにはプライバシーリスクが伴うことから、Telegramでは最低限の情報のみ保持し、詳細な個人情報の収集やメッセージのトラッキングは行われていません。

また、Telegramは、政府や捜査機関への協力に対して非常に慎重な立場を取っています。Telegramの公式ポリシーによれば、ユーザーのプライバシーを保護するために、ユーザーデータの提供には極めて厳しい制限が設けられています。

ユーザーデータの提供基準

Telegramは、ユーザーデータを第三者、特に政府や捜査機関に提供する際には、特定の条件が満たされる必要があるとしています。Telegramの創設者であるパヴェル・ドゥロフが以前述べたように、「裁判所の命令がある場合にのみ、テロ関連のケースで」データの提供が検討されることがあります。しかし、これまでにそのようなデータを提供した例は報告されていません。

暗号化とデータの非保存

Telegramのシークレットチャットは、エンドツーエンド暗号化（E2EE）を使用しているため、Telegram自体がメッセージ内容にアクセスすることはできません。これにより、政府や捜査機関からの要求があっても、Telegramは技術的にメッセージ内容を提供することができません。また、通常のチャットでも、メッセージはユーザーがアクセスしなくなるとサーバーから削除される設計となっており、保存されるデータは最小限に抑えられています。

透明性と報告

Telegramは透明性を重視しており、政府からのデータリクエストに対する対応状況を定期的に報告しています。この報告では、どの国からどのようなリクエストがあったのか、そしてそれにどのように対応したかが記載されています。これにより、ユーザーはTelegramがどの程度プライバシー保護に努めているかを知ることができます。

法律の枠外の対応

Telegramは、特定の国や地域で政府の圧力に抵抗するため、法的に難しい場合でもユーザーのプライバシーを保護する姿勢を示しています。たとえば、政府からの過剰な監視やデータ要求に対して、サービスを一時的に停止するか、アクセスを制限することも選択肢として考えています。

このように、Telegramはユーザーのプライバシーを強固に守ることを最優先に考え、政府や捜査機関との協力には非常に慎重な姿勢を取っています。

セキュリティ強化のための実践的なヒント

Telegramの利用傾向

• Image From Telegram Business: The Ultimate Telegram for Business Guide [January 2024]

Telegramは極めてユーザーのプライバシーを尊重した設計思想により、個人のプライバシーを強力に保護します。
Telegramはもともと、政府による通信検閲・情報統制が強力に行われている国や紛争地域で非常に高いシェアを占めていましたが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を契機に、それ以外の国でも急速にシェアを拡大しています。

電話番号を隠したままTelegramに登録する

さて、ではTelegramをより安全に使うためにはどうしたら良いでしょうか？
Telegramを使用するにあたって、ユーザーの足かせとなる事柄の1つに、本人の電話番号による認証が必要とされることが挙げられます。

Telegramにアカウントを作成する場合、1つのアカウントに対して有効な電話番号を紐づけることが義務付けられています。
電話番号の有効性はSMS認証によって検証され、無効な電話番号ではアカウントを作成することはできません。

しかしながら、電話番号とは、いわば個人情報の塊です。あらゆる国においても、電話番号の契約にあたっては有効な本人確認資料、すなわちIDカードやパスポートの提示が求められます。
言い換えると、Telegramがどれだけセキュリティに気を配っていても、利用者の情報管理、例えばアプリの設定ミスやショルダーハックなどによってTelegramに登録している電話番号が暴露してしまうと、捜査機関は電話番号からあなたの名前、住所、個人ID、勤務先に関するあらゆる情報を入手することができるでしょう。

では、一体どうしたら良いでしょうか？
今すぐ始められる無料の解決方法として最も推奨される方法は、SMSOnlineのような一時的な電話番号プロバイダーを利用することです。

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SMSOnlineは、世界各地の使い捨て電話番号を共有し、それぞれの電話番号に届くSMSをWeb上で確認できるオンラインサービスです。

SMSOnlineを利用することで、自身が保有する本当の電話番号をWeb上に晒け出す必要がなくなります。
また、SMSOnlineでは日本、中国、台湾、韓国、アメリカ、ドイツなどのTier1諸国をはじめとする20以上の国の電話番号を継続的に取得しており、常に100以上の電話番号がオンラインです。

SMSOnlineを利用してTelegramのアカウントを作成する方法

ここからSMSOnlineへアクセスしたら、利用可能な使い捨て電話番号を検索します。
Telegramでは、アカウント登録の際に使用する電話番号の所在国に制限がありませんから、ユーザー投票の結果を見て評価の高い電話番号や、最新の電話番号を使用するとよいでしょう。

使い方はとても簡単です。SMSOnlineで公開されている電話番号をTelegramの電話番号登録フォームに入力し、本人確認のSMSが到着するのを待ってください。
電話番号に到着したSMSは、当社のサーバーで無害化処理された後にホームページ上に反映されます。通常、一連の処理にかかる時間は10分以内です。

SMSOnlineの電話番号を使用して一度登録すると、ログインにおける二段階認証のSMSも同じ電話番号で受け取ることができます。

注意点

SMSOnlineを使用してTelegramに登録する際には、幾つかの重要な注意点が存在します。

まず第一に、必ず2段階認証を有効化してください。これは何を差し置いても最も重要です。
SMSOnlineでは、電話番号とSMS認証コードのペアがWeb上で公開され、誰も見ることができます。つまり、Telegramのように、これら2つの組み合わせでサインインが成功するようなサービスの場合、誰もがあなたのアカウントにログインできてしまう危険性を孕みます。
これを回避するためには、Telegramで2段階認証のパスコードを設定することが有効です。パスコードを設定すると、「電話番号」「SMS認証コード」「二段階認証パスコード」の3種類がサインインに必要となり、SMSOnlineでコードを見た誰かが、勝手にあなたのアカウントにログインする事態を完全に防止することができます。

第二に、1つの電話番号では、Telegramには1つのアカウントしか作成できないということです。
ありがたいことに、私達のサービスはグローバル規模で多くの方のセキュリティ向上に利用されています。
すなわち、あなたが利用しようとしたSMSOnlineの電話番号が、既にほかの誰かによって利用されている可能性が存在します。
私達は独自の経路で各国の電話番号を入手していますが、世界中に存在する500人以上のボランティアメンバーと協力し、電話番号の提供を受けています。これによって、私達はオンラインの電話番号を毎週何個も追加することができます。

電話番号の更新状況はTelegramで公開しています。是非チャンネルを登録いただくか、最新の電話番号はSMSOnlineトップページに公開されますから、定期的にご確認ください。